『アップデートする仏教』 [読書]
藤田一照老師と山下良道老師の対談を記録したものである。冒頭、現在の日本佛教を佛教1.0、ミャンマー、タイ、スリランカといった東南アジア諸国及び米国における佛教を2.0、そしてそこから上にアップした佛教を3.0、というふうに紹介されていて、ほかならぬ佛教1.0 の世界にいる自分としては、何だか上からの目線で物申されている感じでカチンと来たが、読み通せばそういうことではなくて、お釈迦様の教えから段々と逸脱してバージョンダウンしてきた佛教を今一度アップデートしてお釈迦様の原点に戻るにはどうすればいいか、というお話だったと理解する。
一番関心を惹いたのは、「体の中で体をみる」ということで、これは既に読んだティク・ナット・ハン老師の著作の中でも何度も目にした教えで、山下老師もそこに言及されている。このことに一番関心を持つが、一番自分の身に即して解らない点だとも思う。今読んでいるティク・ナット・ハン老師の著作『Transformation and Healing』にも "look deeply at the body in the body" という表現が出ており、the body が feelings, mind, そして things to be observedと四つのことを念じるのを説いているのが、『四念處経』(中部阿含経#10)でハン老師の上の著作はこの経典に基づいている。
山下老師はホームページを開いておられ、京都でも瞑想会を開かれているようなので、機会があれば一度出掛けて教えを乞うてみたい。
2015-02-02 12:46
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